朱里日記

❁小さな自叙伝からはじまる魂の冒険記❁

あさきゆめみし

今日のタイトルを何にしようかと、考えていたら、ふと浮かんできた言葉があったのでそのままタイトルにした。


''あさきゆめみし''


どこかで聞いたことのあるこの言葉って、徒然草で言うところの、諸行無常の響きあり、的な文中に出てくるフレーズだったっけ?と思い、調べてみたら、いろは歌の中に出てくることがわかった。予想と遠からず。…というか、そんなことも知らないで俳句とか言っているのか?!と、どこからともなくお叱りの声が聞こえてこなくもないが、ごめんなさい。いつの日かお勉強したことも、つかう機会に恵まれないと忘れてしまうのです。


あらためて、いろは歌平仮名47文字を書いてみたい。


いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす


色は匂えど 散りぬるを
わが世誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見じ 酔いもせず


文豪芥川龍之介は、ある著書のなかで、『いろは短歌には、人生において必要なことはすべて教えられている。』と、書き記していたらしい。あの、芥川がそう言っているのだから、間違いないのだろう。いや、こういう時こそ疑え。芥川が言ってることはすべて正解なのか?自分の心が感じる前に答えを出すことはもうやめようじゃないか。


ということで、わたしは声に出していろは歌を読み上げた。意味はわからない。ただ、あさきゆめみしの音の響きと、このことばから浮かぶ情景が好きだと思った。



浅はかな夢を見た

ひとり

貴方を想え、想えど、

わたしの傍に貴方はいない

散りゆく

あの桜の花びらのように

いっそ

散ってしまえたら

どんなにか楽なのに



なんか、こんな詩ができた。

いろは歌の筋とはズレているだろう。そして、芥川の人生において〜ともまったくズレた。でも、まあ、いいじゃないか。ふと浮かんだフレーズから詩をつくるまで発展させられたことが、なかなか面白い。ことばあそびってやつでしょうか。


さっき、窓を開けたらまるで台風の前のような生温い空気に嬉しくなって、外に飛び出した。両手を大きく広げ、夜道をひとりスキップする。あー、気持ちいい!最高!

スキップに飽き足らず、久しぶりに走ったら、いい感じにスピードに乗った。このままどこまでも走っていこうかと思ったら、雨がけっこうな勢いで降ってきたため、やむなく退散。ほんの一瞬の出来事だった。


この軽やかさを楽しもう。


たぶん


わたしはもう

ずっとしあわせだ。



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そっと、寄り添う