朱里日記

❁小さな自叙伝からはじまる魂の冒険記❁

お稽古

本日は、日本舞踊のお稽古日

先週はお休みだったため、2週間ぶりになる。


いまわたしが習っているのは''梅にも春''という、女形の演目になる。日本舞踊には、女形と男形があり、基本、初心者は女形から習うようである。


首振り3年と言われるだけあり、1.2.3のリズムで首を振る動きがまず難しい。先生や名取さんを見ていると、自分がいかに下手くそか見えないけれどよくわかる。なんとなく、それっぽい動きを見様見真似でやってはみるが、まるでなっていない。


人物画を追求していくと、体の作りや動きに言及することになる。体の動きを理解していないと、不自然な絵になってしまうからだ。


踊りも同じ。

体の自然な動きを覚えてなんぼ。頭で振りを理解しても、まるで形にならない。習い始めの頃に先生から、『こどもは頭で理解しようとなんてしないから、ここで回るよ!と言うと、わたしの後ろにくっついて回ろうとするんだよ。』と、教えていただいた。

わたしが頭で考えて、覚えよう、覚えよう、としていたからだ。


そう、これはわたしにとって、とても大事な気づきとなった。


まず、頭で考えて、振りを覚えようとしたのは、間違えることが恥ずかしかったからだ。

誰だってはじめはできなくて当たり前なのに、間違えないように、必死になった。無意識にそうしたということは、今まで、無意識にそう生きてきたということだ。


それが分かったので、それからわたしは間違ってやれ!と捨て身になれた。それも、すぐにではない。徐々に、そういう気持ちになっていき、''習うより慣れろ''に慣れていった。


まず、気づくこと。

そして、自分のペースでいいから、軌道修正を意識的にすること。


体をつかうことの良さは、小手先のテクニックでうまいことやろうとしても、全然できないところにある。だから、上手くなりたかったら、捨て身で稽古に精進するしかないのだ。


名取さんであり、八王子の芸者さんであるHさんの素晴らしいところは、先生に指導いただいてる際に答える『はい!』という返事。明るくて、ハキハキしていて、聞いていて本当に気持ちがいい。この方の『はい!』からは、いつでも初心を忘れない心掛けが伝わってくる。


実は、わたしも返事に関しては、過去にAさんから何度も指導を受けた。『今のはい!はなってない。』とか、『怒ってんの?』とか、『今のは反抗的な、はい!だったな。』とか、とか。。

意識していないと、本当にその時の感情が『はい!』という返事ひとつに全て出てしまう。いくら言葉で否定しても、隠せない。感情に流されてしまう、人間的な未熟さが現れてしまうのだ。


Aさんに教えてもらった大事なことをやっぱりすぐに忘れていた。でも今わたしはそのことを思い出せた。間違えたら間違いを認めて、やり直すこと。そうだ。間違えたら、何度だってそこからやり直せる。だから、遅いことなんてひとつもないんだ。


本当に恥ずかしいことは、間違いを認められないことだったり、言い訳したり、誤魔化したりすること。それを忘れないようにしよう。


まだまだ未熟な自分と、時に厳しく、時に甘やかし、時に面白がり、なんだかんだと折り合いをつけて、やっていこうと思う。


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精進👘