朱里日記

❁小さな自叙伝からはじまる魂の冒険記❁

今年も春がくる。


毎年春はくるのに、こんなにも、'' 春がくる ''そのことそのものが、奇跡のように感じられる年は、この惑星に生まれてから初めてのような気がしている。


死を内包した生の確かな実感が、あまりに深くこの身体に浸透し、道端にひっそり咲く雑草の沈黙も、これからはじまる新しい季節を迎える歓びの気配に満ち満ちている。


目に見える世界が昨日と変わらなくても、細胞は生まれ変わり続け、目に見えない世界は

一新した。


なぜだろう。

とてもじゃないけど、これから先、何十年も長生きする予感は微塵もない。

わたしはわたしの感覚にもはや全信頼を置いているため、だとしたら、いまこの瞬間、魂はどう在りたいかに、自分のエネルギーの全てを注ぎたい。


これからは、ひとりひとりが、自分の命に責任をもって生きるほかは無いと思う。

問題解決をさせるために奔走せずとも、あそぶ楽しさを心と体が思い出したら、勝手に問題は解決していく。

罪を許されて与えられた命を、できることなら生かしたい。明るさや楽しさや嬉しさや喜びだけでなく、寂しさや、切なさや、苦しさや、やりき切れなさをも、抱えながら、それでもなお、あなたと笑いたい。

泣きながら笑う道を選びたい。


わたしは見たいのだ。

わたしが思い描く理想のセカイを、この次元に具現化させたいのだ。

愛する人たちひとりひとりが、自分の理想の世界を実現させるのを、となりで見ていたいのだ。


''千紫万紅''


大好きな4文字熟語である。

意味は、色とりどりの花が咲き乱れる様子。

正に、それぞれが持って生まれた色を鮮やかに発光させ、大きなパズルのワンピースとして存在を発揮する日を見届けたい。


今はただ歓びの春をここで待つ。

人生最高の春を迎える。



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朝のオオイヌノフグリ