朱里日記

❁小さな自叙伝からはじまる魂の冒険記❁

KIMOCHI


ZAZENBOYSのKIMOCHIという曲が好きだ。それはつまり、向井秀徳という人が好きだということである。

あの日のアコースティックライブは一生忘れることはない思い出だ。
ほんとうのひとりで向かったライブハウスで歌う向井秀徳は、黒いCONVERSEのスニーカーを履いていた。
わたしはその日、初めて存在を知った降神というヒップホップクルーのパフォーマンスをみて、生きるとはこれほどまでに苦しめる、ということを味わえた。あんなにもほんとうの苦しさを感じられた時間はしあわせだった、と今なら言える。長い人生の間のたった2日のこと。

ブログを2日休んだ。
ただ、自分が好きでやってることだから、誰に迷惑かけることもないし、誰かを困らせることも無い。けれど、自分はすこしだけガッカリしている。自分の内には、ブログを毎日続けてほしいと願う自分がいるのだ。

昨日は、悩みながらも、どうしても作りたいスープがあり、食べてもらいたい人たちがおり、カンパニーの基地まで材料持参で出向いた。この状況で危険な賭けとも言える行為ではあったが、わたしは勝手にあの人たちを魂の家族と思っているので、家族であるならある程度接してもいいんじゃないかな?などと、まったくもって自分勝手な解釈で行動してしまった。ごめんなさい。
明日以降のことは、もはやどうなるかわからない状況だ。
''会いたい人には会っておこう''
その気持ちがおおき過ぎた。
……ごめんなさい。

最近noteで絵本の朗読を始めたのだが、それを聞いてくれたH美さんから、読んで欲しい絵本の依頼を受けた。
スープを作り終えたので、絵本を読ませていただく流れになる。いちど読んでみたところ、正直心に強く引っかかるものはなかった。なので、さっそく声に出して読みながら録音してしまうことに。なんと、ギリギリ5分で読みきれずアップを断念した。
けれどそのあと、H美さんがいろんな人にその絵本を読んでもらった時の感想の話を聞いて、わたしはやっとこの絵本を読んで自分が感じた気持ちを言葉にできた。

''オオカミくんはひとりぼっちの寂しさを抱えながらも、いつも次の場所へと向かえる強さがある。わたしはオオカミくんほど強くなりたくなんかない。そう思った。
強くなりたくなどないのに、自分が本当はオオカミくんよりも強いことを知っている。自分は自分を強いと思って生きていることがわかった。そのことが胸を締めつけるほど苦しかった。''

わたしは、感情を感じることがまだまだ苦手なんだな、と思う。甘えたり頼ったりワガママ言ったり弱音を吐いたり、、全然できない。すぐ、わたしは大丈夫って方に着地しようとする。ほんとうは、全然大丈夫じゃないのに。

いつも『ひとりで大丈夫?』って、優しい眼差しで聞いてくれる人がいた。その度にわたしは『大丈夫』って答えたけれど、その人が、それが嘘だってわかってくれてることがわかってて、わたしは安心して嘘をついた。何もしてくれなくてもいい。ただ、ほんとの気持ちを知ってくれる人がいることで、安心できていたことを思い出していた。

強がりなじぶん。
変わらないじぶん。
ずっと寂しいじぶん。
弱虫なじぶん。


これからしばらくどこへも行けない日々が続くのなら、そんなじぶんに寄り添ってあげようと思う。それは同時に、自分と同じような想いを抱えて生きている人たちの心にもそっと寄り添うことに繋がる気がしている。



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春の訪れを告げる花