朱里日記

❁小さな自叙伝からはじまる魂の冒険記❁

U先生のこと

昨日は、テーマがデカすぎて、全然自分が追いついてなかった感が否めないので、今日はゆったり、ほのぼの記事にしたい。


先生に対して、わたしは思うところのあった人生なのだなぁーと、過去自分が出会った先生、子どもたちがお世話になった先生、それぞれ振り返ってみると清濁ごちゃまぜの感情が湧いてくる。 わたしは、好きだった先生いる?と聞かれたら、たったひとりだけいると答えられる。


それが、小学4年生の時の担任のU先生だ。


U先生は男の先生で、理科の先生だった。わたしが通った小学校に着任する前は盲学校に長くいた人で、なんというか、子どもたちを自由にさせてくれる先生だった。

その先生のクラスだったからか、わたしは自分全開、向かうところ敵なし状態で、本来持ってる自分の良さを存分に発揮した。

男女関係なくみんなを巻き込んで、放課後にマンションの敷地全部使って泥警をするのが楽しくてしょうがなかった。 

自分全開だったからか、勉強なんていつも上の空で得意教科も特になかったが、その一年はU先生のおかげで理科が大好きになったし、20分休みは校庭で全力で走り回ったし、雨の日は図書室で好きな本を読みふけった。


その頃わたしは、7つ上の姉の影響でお菓子作りにはまり出していて、ある時、遠足に自分で作ったクッキーをおやつに持って行った。内心ドキドキで、みんなに食べさせたいけど、おいしくなかったらどうしようと、しっかりビビりながらも、さり気なくおやつの一部として広げてみた。

そうしたら、なんと当時好きだった男の子がわたしの手作りクッキーに手を伸ばし、食べてひとこと『めちゃくちゃおいしい!』と言ってくれたのである。 

この時のうれしさが今の今まで尾を引いて、以来、お菓子づくりは長年わたしの趣味のひとつとして王座の地位に君臨している。 


わたしはこの経験で調子に乗り、バレンタインデーの日に、クラス全員の男子に友チョコをあげようと、家に女子を集めて、板チョコを溶かして可愛いカップに入れて固まるのを待つ、いわゆる手作り風チョコを山ほど作った。 そして、クラスの男子全員プラスU先生にチョコをあげた。喜んでくれたような気はするが、実際あまり覚えていない。 


それからひと月後、帰りの会?のときにU先生が、わたしとほか数名の女子の名前を呼び、放課後理科室に来るように、と言って教室を出て行った。 わたしと友達は、やばい!なんか怒られんのかな…と、不安な気持ちで、そろそろと理科室へと向かった。 わたしたちが理科室へ入ると、U先生、ちょっと恥ずかしそうに、『好きなの選んでね。』 と言って、アメやチョコを机に並べてくれたのだ。

そう、その日はホワイトデーで、あの手作り風チョコのお返しのための呼び出しだったのである。 わたしたちは予期せぬ意外な展開にほっとして、有難くお菓子をいただいた。


U先生は別に何かすごい教えを説いてくれたわけではない。もちろん小学4年生という時期がよかったとも言えるかもしれないが、基本自由に子どもたちの好きにさせて、何かあったらその時は出ていくといったスタンスで、決して未然に問題が起きることを防ごうとするようなことはしなかった。 だから、その見えない信頼をちゃんと感じて、先生に迷惑をかけるようなことはしなかったし、ただただみんなで楽しく遊びたい!という気持ちに素直に行動できたんだと思う。


子どもは大人を(先生を)見ている。 問題を起こすのは反応を試しているのだと思う。その人が信頼できる人物かどうかを見極めるために  。

そうか、わたし意外と人を見てたんだな。

過去を掘り起こすと思いがけない宝が眠っていたことに気づく。 親姉兄に悩みを打ち明けたこともなければ、友達にも相談したことなどない。 無意識にしまい込んだ傷は沢山あったけど、それをいま大人になった自分がひとつひとつ見つけて、癒すことができる。 わたしはわたしを信頼できる大人として認めてるってことになる。 ああ、なんかほっとした。


小学4年生の時の自分。 みんなを自分を楽しませたくて、夢中で生きてたあのときの自分をこれからまた生きたい。 生きるぞ。


U先生 楽しさをありがとうございました!


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バンザイ🙌