朱里日記

❁小さな自叙伝からはじまる魂の冒険記❁

大事な

人たちとの出会いが、この世界にわたしを連れて来てくれた。 あの時あの人に会ったから、あの時あの人に会わなければ、という人生での大事な出会いをひとつずつ丁寧に回顧していきたいと思う。


私の人生を大きく転換させる最大のターニングポイントになった、2015年の夏のこと。 

わたしは、あるタロットカードが得意の占い師さんとカウンセラーの方がコラボ開催した仕事をテーマにした40名ほどのワークショップに参加した。 

その頃は、家庭の事情で、就職してわたしが家族を支える覚悟を決めようとしていたときで、これからどんな仕事をしたらいいかを真剣に見つけたいと並々ならぬ意気込みでそこへ出かけて行った。

参加者からはどんどんそれぞれの質問が飛び出し、わたしも遅れをとるまい、と早い段階で手を上げ相談内容を告げた。 

すると、カウンセラーの人が、意外な質問をわたしに投げかけてきたのだ。


『あなた、最近楽しかったことはなに?』


わたしは思いがけなさすぎる突然の逆質問に加え、思いがけなさすぎる質問内容に戸惑い、ずいぶん考えたのちに「家族でごはんを食べている時とかでしょうか、、」こんな感じの歯切れの悪い回答をした。

すると、カウンセラーの人は『まず5秒以内に答えが出ない時点でブー(バツ)!あなた楽しいことがないのよ。 あなたはいま何も楽しいことがないの!』と、あまりにハッキリびしっ!と言いきられて、呆気に取られてしまった。 

そしてそのあとに続けて『まあいいわ、あなたは最後にわたしのところに来なさい。』と言われて、そこからそのワークショップが終わるまで、わたしはほかの人たちの相談内容は一切耳に入らず、さっき言われたことの意味を自分の内側に見つめ続けていた。 


すると、ひとつの楽しかったことに値する出来事が自分の身に起きていたことがふわっと頭を過ぎったのだ。

それは、遡ること3ヵ月ほど前のこと、当時働いてたカフェである日、わたしはお客さんから小さな手紙をいただいた。 そこには''いつも素敵な笑顔をありがとうございます。''というメッセージが書かれており、わたしはそれを読むなり、その時一緒に働いていたスタッフの男の子に嬉しさのあまり報告し、『よかったですね~。』という、半ば強制的に言わせたともいえる共感のことばをもらってはしゃいだ。


この時期は、家の中が真っ暗で笑うことができず、このカフェで働いてる時間だけが笑うことを許されている限られた時間だったこともあり、わたしはお客さんのためというより、むしろ自分のために懸命に笑っていたような気がする。 

それを見てくれてた人がいたことが、言葉にできないほどに(すぐ話したけど笑)うれしくて、うれしかったんだと思う。それほど印象的な出来事だったにも関わらず、3ヵ月後、わたしはすっかりその思いを封印していたのだ。


ワークショップは無事に終わり、わたしはカウンセラーの人の元へ向かった。 そしてまたも、自分では想像もしていなかった意外なことを告げられることになる 。


『恋をしてください』と 。


タロットの人もカードを引いてくれて、『あなたの女性性が表現したがっているから、もっと前に出して行った方がいい』 というようなことを言われたのだ。  


この時の言葉は強いインパクトをわたしに残した。 仕事の相談に来て、よもやの課題を突きつけられて帰る帰り道は、なんだか数時間前の自分と今の自分が別人になってしまったかのようで、自分が自分でなくなってしまったような、あまりにも心元無く、所在無い気分だった。 

今振り返ると、あれは自分に恋をしなさい、というメッセージだったのかな?などと思う。 あの小さな手紙からもらった喜びも、それと似たメッセージだったのかも知れない。


その夏には、20年来のかけがえのない大切な友人と約10年の空白期間を経て再会し、大事な、とても大事な繋がりを確かめ合った生涯忘がたい夏になった。


それから、3ヵ月後に父が亡くなり、わたしは夫に離婚を申し出た。


あの時のワークショップはこれから起きる人生の大転換のお告げだったのかも知れない。

そして、恋をしなさい、のメッセージどおり、わたしはそこから自分の選んだ人生に恋をして今があるのである。


これを思いがけなく目にしたあなたに告げる

人生の大転換期きてますよ、きっと。







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あの夏の海🌊