朱里日記

❁小さな自叙伝からはじまる魂の冒険記❁

続...幼少期

保育園でのエピソードはまだ探せばあるけど、つぎに進みたいと思う。


池ちゃんのこと


池ちゃんとは、当時わたしの家の近所に住んでいたひとり暮らしのおじさんのことだ。

見た目は石立鉄男のような特長的な髪型をしており、話し方も、鉄男に似たり寄ったりのハキハキとしゃべる豪快な雰囲気の人だった。


池ちゃんは、いつも、わたしや、近所の子どもたちに自分の部屋の掃除をさせて、おこずかいをくれていた。

いくらくれていたかは覚えていない。

でも、とにかく池ちゃんの家に行けばおこずかいがもらえるから、わたしもたぶん近所の子たちも、池ちゃんの家に行くのが好きだった。


現代ではどんなにいい人だとわかっていたって、ひとり暮らしのおじさんの家に4~5さいの子どもだけで遊びに行くなんて、そんなこと、親も周りも絶対に許さないだろう。

バレずにこっそりやるのはまず不可能だし、そんな自由がいまの子どもにあるとは思えない。


だから、親にも知られないわ、外でおこずかいはもらえるわ、わたしの子ども時代はけっこう自由があったんだなぁ〜と、この思い出を振り返ると、しみじみ感じる。


池ちゃんはわたしたちが掃除(という名のあそび)に行ってる間、家にいなかった気がする。

仕事に行っていたのだろうか?

それとも、パチンコにでも行っていたのかな?

その頃はもちろん、幼すぎて、池ちゃん個人に特別興味をもつこともなく、どんな経緯でわたしたちがあのおじさんの家に掃除に行くことになったのかも皆目わからないが、少なくとも池ちゃんに対して好感をもっていたことはわかる。

ガハハハと豪快に笑う、単純に、子ども好きなおじさんだったんだと思う。


このあそびは一体いつからいつまで続いたのだろう?

さらには、わたしの記憶はどのくらい事実に忠実なものであろう?


正直、今となってはよくわからない。


ただ、今のわたしは、この池ちゃんという人がどんな人物だったのか?そのことに興味がある。


ひょっとしたら、わたしがその後出会ったろくでもない学校の先生なんかより、ずっと、大切なことを教えてくれる力のある人間だったんじゃないだろうか?などと、勝手な想像が頭の中で膨らんでいる。



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2019.6  清澄公園